マルハナバチ国勢調査
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はじめに

現在、花まるマルハナバチ国勢調査のデータを使って、複数の研究が進められています。しかし、ここですべての研究結果を報告しているわけではありません。研究者は、研究している内容を論文として発表する務めがあります。論文として発表する前に、研究結果を他の媒体で公開すると、論文では発表できない決まりになっています(学会発表などいくつかの例外を除く)。 論文として発表されない研究は、研究されなかったに等しいと見なされます。そのため、皆さんにご報告できるのは、おもに論文として発表されたものになります。申し訳ありませんが、その点をご了承いただけるとうれしいです。


写真枚数

年間で約1000枚の写真を収集しています。2013年から2016年の間に集まったマルハナバチの写真は3833枚でした。


分布

マルハナバチ主要6種の分布(2015年時点)

白丸が写真で報告のあった場所を表しています。
(a)トラマルハナバチ、(b)コマルハナバチ、(c)オオマルハナバチ、(d)クロマルハナバチ、(e)ミヤママルハナバチ、(f)ヒメマルハナバチ

分布


マルハナバチ主要6種の分布推定

種分布モデルにより、報告がない場所も含め分布確率を推定しました。青は確率が低く、緑から赤は確率が高い場所です。
(a)トラマルハナバチ、(b)コマルハナバチ、(c)オオマルハナバチ、(d)クロマルハナバチ、(e)ミヤママルハナバチ、(f)ヒメマルハナバチ

分布


影響する環境要因

分布推定の結果、マルハナバチの分布は主に、気温と標高と森林面積で決まっていると考えられます。トラマルハナバチ、コマルハナバチ、オオマルハナバチ、クロマルハナバチは、1平方キロメートルで考えると、35〜70%程度、森林に覆われた場所が生息に適していると推測されました。
このような「ほどほどの」森林面積は、里山でよく見られます。伝統的な方法で維持されている里山は、人間による適度な撹乱(例:二次林の管理や野焼きや草刈りなど)があり、様々な生物が生息することができます。そのため、生物多様性の維持に非常に重要な場所だと考えられています。里山について詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。
里山は、マルハナバチにとっても重要な環境であることが、改めて明らかとなりました。しかし、高齢化などにより、今後里山が減少していくと考えられています。今後は、マルハナバチを保全するために、どの地域の里山を維持すべきなのか、維持するにはどうしたらいいのか、研究していきたいと思っています。


これまでの成果と関連記事

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