生物多様性進化分野 パンフレット (理学部生物学科用)


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なぜ、環境変化に応じて急速に進化する種もいれば、できない種もいるのだろう?

 長い年月をかけて多様な形態や性質が進化するだけでなく、数十年から数年の短い期間でも、環境の変化に応じて生物は進化します。近年の気候変動など地球環境変化に応じて、すでに一部の生物では進化的な変化を生じています。たとえば、温暖化により北部の積雪や氷が消失することにより、黒い毛皮のオオカミが増大していることが知られています。これは、毛を黒くする遺伝子が近年急速に広がったことが原因です。  しかし、環境変化に応じて、進化的に反応できる種もいれば、反応できない種もいます。また、ある生物は、熱帯から温帯の世界の広い地域の多様な環境に生息している種がいるのに対し、砂漠という特定の環境にしか生息していない種もいます。このような、環境変化に対する進化可能性や進化制限をもたらす要因はなんでしょうか?  進化可能性を決める要因は、生物のもつゲノムの中にあると思われます。ゲノムの中には様々な遺伝子がありますが、あるタイプの遺伝子は、そのコピーを複数もっています(重複遺伝子といいます)。私たちは、ショウジョウバエ11種のゲノム上にある「重複遺伝子」の数を比べたところ、それぞれの種の生息環境の多様性と重複遺伝子数の間に正の相関があることを発見しました(FIG01). 同じ遺伝子のコピーが多いほど、多様な環境に適応進化できる可能性があることを示しています  私たちの研究分野では、環境変化に対応する生物の進化的反応や生物多様性の予測に関して、様々な動物をもちいて、分子から生態系の様々なレベルからアプローチをしています。たとえば、近年の温暖化にともなって、影響を受けやすいと言われているトカゲ(キューバのアノールトカゲFIG02.)の温度適応に関する研究、マダラやカレイなどの沿岸底生魚の分布変化と進化、チョウの北上を促進あるいは妨げる進化的要因の研究、侵略外来種が様々な環境に適応できる要因の研究などを行っています。


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Last-modified: 2013-02-14 (木) 20:47:13 (1741d)